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ロンドンでの仕事
今日は英国ロンドンで勤務していた事務所のことを書こうと思う。

僕が勤務していたAtelier Jean Nouvelはフランス・パリに拠点を置く事務所で、パリの事務所のほかに世界中で動いているプロジェクトの現地事務所がある。僕はその一つのロンドンのプロジェクトを担当した。そのプロジェクトはジャン・ヌーヴェルとノーマン・フォスターという2人の世界的建築家がコラボレーションし、ロンドンのど真ん中に、一つの建築をつくりあげるというものである。アトリエ・フォスター・ヌーヴェルという名のテンポラリーな事務所の下に、双方のスタッフ6、7人位ずつがジョイントして、一つのチームを構成していた。僕たちの事務所はリバーテムズ沿いのフォスター事務所のそばにある一棟の小さな建物を丸々使用していたが、フォスター事務所のパスをもち、メインオフィスのカフェや多種多様な機材も自由に使うことが出来る上に、フォスター事務所の各専門スタッフと一緒に仕事をすることが多く、どちらかと言えばフォスター事務所のスタッフに近い状態であった。フォスター事務所は当時約600人が在籍し、世界中から精鋭の集った事務所で、パースやライティングなど様々な技術専門スタッフがいて、アーキテクトが建築設計に専念できる環境が整っていた。

僕たちの担当したプロジェクトは、Walbrook Squareと呼ばれる(僕がいた頃は違う名前だったが)、ロンドンのシティエリアの、オフィスや寺院、ブティックやレストラン等の商業施設で構成される大規模商業複合施設の計画であった。Bottomと呼ばれる下層のリテール部分、オフィスがメインのMiddle(中層)、レストランやオフィス、屋上庭園からなるTopの3つに担当分けされ、僕は意匠性の高いTop部分の担当であった。月1回のトップミーティングで僕たちが準備した資料をもとにジャンとノーマンが打ち合わせをする。担当ごとに呼ばれて説明をするのだが、二人がトレーシングぺーパーを広げて頭の中にあるイメージを描いていく光景はすごい迫力で、興奮を覚えた。特にジャンは、Top部分に関して強いこだわりをもっていて、次から次へと形態を提案し、静かな口調ながら凄いオーラで空間のイメージを語っていく。ノーマンはどちらかと言うと、形態には慎重な印象だ。多角的に、また論理的に導くものだという姿勢が感じられた。

このプロジェクトは長い年月をかけた計画で、スタッフも次から次へ入れ替わり、僕がいた初期から中期にいた同僚の多くは後期にはほとんどがいなくなっていたようだ。僕が帰国してからもデザインが変わった様だが、基本的な軸はぶれていない。凄い数のスタディをした最終形がこれだと思うと、とても感慨深い。僕がいた頃は、度々案がリセットされ、どこがゴールなのかが見えない時期もあった。そんな年月を経て、ようやく日の目を見る。元同僚からのメールで2010年に完成予定だと聞いた。完成すればロンドンの新たなランドマークになるだろう。完成がとても楽しみだ。


Walbrook Squareのイメージ写真は以下のサイトで閲覧することができます。
http://www.worldarchitecturenews.com
http://www.skyscrapercity.com
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by futurestudio | 2008-02-26 23:18 | london
建築の「いろ」
自然界の全ての色には理由がある。少なくとも僕はそう信じている。
建築の色も同様に、理由があって然るべきだ。
天井、壁、床、家具、建具、外壁、屋根・・・その全てに必然性がある。
それを探究することを建築を考える上で怠ってはならない。
例えば、何十年というスパンで生活の場となる住宅と、一過的な滞在を目的とするレストランやショップなどでは、当然ながら建築の色のもつ意味が異なる。更には住宅と別荘でも違うであろう。一般的な住宅が刺激の少ない色で構成されるのは、そのような必然が生じていることに因る。
しかしながら、ミクロを紐解いていくべき我々建築家は、マクロを抽出するメーカーなどとは違う。敷地条件、クライアントのライフスタイルなど建築を取り巻く全てのエレメントから、”攻撃的”に見出すことが宿命であると思う。
色だけに限ったことではないが、たとえどんな結末になろうとも、迎合的な逃げや惰性ではなく、当たり前のことの必然性を追求し明示する姿勢は忘れてはならない。
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by futurestudio | 2008-02-26 01:16 | philosophy
廃材
今日は住宅に使用する床仕上げについて業者さんの会社に出向いて打ち合わせ。膨大な数のタイルや石のサンプルを見ながら検討。やはりいいモノは高い。次に外に置いてある廃材を見る。廃材といっても、工事の余り物や切れ端なので、新品同然に綺麗。公共工事等多くの工事をされている業者さんだけあって、余り物の数も多い。年に数トンもの廃材を棄てているとのこと。とてももったいない。何とかこれらを甦らせる方法はないものか。予算も限られているので、お金をかける箇所のメリハリをつけて、使える箇所にはこれらを工夫して使う方法を考えてみようと思う。
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by futurestudio | 2008-02-23 20:20 | works
ROUND ABOUT JOURNAL
建築家の藤村龍至氏率いるTEAM ROUND ABOUT発行のフリーペーパー”ROUND ABOUT JOURNAL vo.3”を藤村氏より、100部送っていただきました。

次の時代を睨む若き建築家、建築学生は必読の濃い内容です。

”ROUND ABOUT JOURNAL vo.3”は、広島の建築関係者はじめ、各方面に配布しますが、読んでみたい方は、FUTURE STUDIOまで来て頂ければお渡しいたします。僕が非常勤講師をさせていただいている穴吹デザイン専門学校でも近日中に配布を始める予定です。


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by futurestudio | 2008-02-19 23:45 | news
DM
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FUTURE STUDIO設立のご挨拶のポストカードが出来上がりました。
出来るだけ早く発送したいと思います。
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by futurestudio | 2008-02-16 17:41 | office
5時間半
今日は朝から広島市で進行中の住宅の打ち合わせ。現在予算の最終調整で、施主、施工者、設計者の僕とで意見をぶつけ合う。10時から始まった議論はヒートアップし、気付けば15時。昼食をとるのも忘れ、全員がこのプロジェクトの世界に入り込んでいた。それから皆さんと遅い昼食をとりながら話の続き。施主と共にあるメーカーのショールームを見に行く予定だったが、遅くなった為キャンセル。延べ5時間半の打ち合わせは、発展的で有意義なものだった。こうして思いをぶつけ合って、共につくり上げていく過程がとても面白い。
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by futurestudio | 2008-02-15 21:13 | works
小物
今日は住宅に使用する特注小物の打ち合わせで大竹へ。広島から大竹への道中、宮島口を過ぎ、美しい瀬戸内海を見ながらドライブ。このあたりは僕の好きな道だ。天気もよく、最高に気持ちいい。会社に着くと、社長さんの案内で工場の機械などを見学して回った。所狭しと機械が並び、手作業でミリ単位の製作をされていた。こんなものを作りたいとお話しすると、丁寧に問題点やアドバイスをいただいた。こうして実際に作って下さる方がいるから建築家は色んなことをデザインできる。製作現場を見て、建築という大きなボリュームを構成するミリ単位の分子も丁寧に設計していかなくてはと痛感した。
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by futurestudio | 2008-02-14 23:47 | works
始動
FUTURE STUDIO 始動します。

その名の通り”未来をつくる”という意味を込め、「FUTURE STUDIO」と名付けました。
これから色んな仕事をしていく中で、目先の仕事に追われたり、困難に直面したりした時に、”今”しか見えない状況になることがあるかもしれません。そんな時に自分を鼓舞することができる言葉です。

ありきたりな表現かもしれませんが、普遍な美しい空間をもつ建築であり、かつ明るい未来への希望を垣間見ることができるような新しさをもった建築をつくっていきたいと思っています。

このブログには、日常のこと、仕事のこと、考えたこと、批評、過去の経験等、特に明確なフレームのない雑記帳のような感覚で、書いていきます。
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by futurestudio | 2008-02-14 22:24 | office
筆者プロフィール
小川 文象

建築家名; オガワ ブンゾウ / Bunzo Ogawa
本名: オガワ フミノリ / Fuminori Ogawa

1979年山口県岩国市生まれ。芝浦工業大学工学部建築学科卒業。英国ロンドン大学バートレット建築学校大学院留学後、アトリエ ジャン・ヌーヴェル ロンドン事務所にて勤務。フォスターアンドパートナーズとの共同チームAtelier Foster Nouvel の一員として Walbrook Squareを担当する。帰国後、大小様々な設計・デザインの仕事を経験し、2008年 FUTURE STUDIOを設立。次の時代の建築の姿を模索する日々を送る。現在、FUTURE STUDIO一級建築士事務所主宰、穴吹デザイン専門学校非常勤講師。

受賞等/2005サスティナブル建築世界会議東京大会記念 新建築住宅設計競技 2等(応募465作品<世界38カ国>)、日経アーキテクチュアコンペ2006 優秀賞(2等)、卒業設計日本一決定戦2003ファイナリスト、 学生デザインレビュー2003入選、JIA学生設計選奨 、他。
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by futurestudio | 2008-02-13 23:35 | office
筆者プロフィール
小川 文象

32歳

オガワ ブンゾウ / Bunzo Ogawa

1979年山口県岩国市生まれ。1979年山口県生まれ。私立修道高校卒。芝浦工業大学工学部建築学科卒業後、渡英。英国ロンドン大学大学院を経て、アトリエ ジャン・ヌーヴェル ロンドン事務所勤務。帰国後独立し、2008年 FUTURE STUDIO 一級建築士事務所を設立。建築・都市のデザインを通して、未来の建築の姿を模索すると共に、社会派の建築家として様々な活動を行っている。広島国際大学非常勤講師。

受賞等/ 日本建築家協会優秀建築選2010受賞、SDreview2008入選、広島市パークレストルームデザインコンペ最優秀賞、2005サスティナブル建築世界会議東京大会記念 新建築住宅設計競技 2等(応募465作品<世界38カ国>)など。

FUTURE STUDIO広島市西区観音本町1-16-21-3F



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by futurestudio | 2008-02-13 23:35 | profile



建築家 小川文象のブログ Blog of Architect Bunzo Ogawa
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