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建築を考える上での「視点」
今週も公園トイレコンペ受賞の反響が続いています。

色んな方と話をする中で、この提案に関して本質を理解されている方は少ないと感じていますので、再度少し触れておこうと思います。

今回の提案は、デザインの受け方、感じ方は時とともに、流行とともに変化するものであり、公園のトイレという公共のものには、もっと長期的に変わらない価値を埋め込む必要があるという思想が根底にあります。

この考え方自体は、都市的観点から導き出した解答であり、僕のスタンスそのものではありません。どちらかというと、デザインや表層的な要素が好きな方だと思います。今回はそこを割り切って、一点突破することが必要であったのです。

建築を考える時、建築の用途や環境、規模などの条件に応じて、基準となる「視点」が異なってきます。通常の住宅などは主に内部に視点を置き、路面の店舗などは外部に視点を置くことが多いです。今回のコンペでは地球を外から虫眼鏡で覗き見る様な、ずっと引いた視点から考えました。

建築をつくるということは、芸術を表現するのとは違い、そのような臨機さが常に求められると考えています。また、どこに主眼点を置くかによって、最終的なアウトプットも変わってくるのが必然です。

実施に向けた検討がこれから始まりますが、これからはより建築に近い位置での「視点」での検討となります。このプロジェクトは出来るだけオープンに進めていきたいと考えているので、またここで報告したいと思います。
by futurestudio | 2008-06-13 02:28 | philosophy
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