今日は昼からスタッフと広島の大学の合同卒業設計展に行ってきた。8大学+高専。専門学校などの力のこもった作品が展示されていた。
作品はみなエネルギーに満ちた素晴らしいものであった。自分の学生時代を思い出して、心が洗われるようだった。完成形を見るだけで、そのプロセスにある苦労や努力を感じることができるのは、卒業設計の醍醐味だ。 学生の作品を全体として見ると、そこには今の建築の流行が投影されている。全体として既視感のあるものが多く、内容としても度肝を抜くような作品はなかったが、いくつか好きな作品はあった。 まずは、広島工業大学の学生の市民球場跡地に木をグリッド状に配置し、円形の施設を配した象徴的な案。これは広島の市街地の犯罪的に乱舞する機能建築群を批判的に解釈すると、僕が考える球場跡地利用の手法に近い。風景を見せる様なプレゼンがなかったのが残念ではあったが、広島という都市を冷静に読み解いたからこそできる提案だ。 また、広島国際大学や近畿大学、広島工大の学生など複数見られた、地下に空間の可能性を求めようとする案。複雑に空間を溶かす様な案が多い中で、これらの作品は新鮮に映った。水を貯める施設を併設する?案、モグラの巣のように居住の場を埋める案、採掘場の様に掘り出したボリュームと掘った跡を併せて建築化する案など未来への可能性を感じるものだった。どれももっと大きな規模で提案があるともっと面白くなる様な気がした。また呉高専の学生の空間の在り方を考察し、再定義して積層させた高層ビルの提案も面白かった。 卒業設計は何ヶ月も同じ計画に没頭し、色んなことを考えるので、やっているうちにどんどん複雑になっていってしまう。それ故に、難しいことだがシンプルで強いコンセプトをもつ計画が望ましいし、印象にも残る。手数が求められる故に見切りをつけて発車するのがほとんどだと思うが、それまでの場面を大切に、先生方は導いてあげて欲しいと思う。 今日は僕自身、彼らの作品を通してパワーをもらった。今回出展した学生だけでなく、卒業設計という大きな山を越えた日本中の学生の皆さん、本当におつかれさまでした。
by futurestudio
| 2008-03-23 00:53
| review
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