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カテゴリ:review( 7 )
広島西飛行場廃港決議を受けて
広島という都市はどのような未来へ向けて歩いているのだろうか。

この度の広島市議会の広島西飛行場廃港決議は衝撃であった。
広島空港の利便性の悪さは疑う余地もなく、東京を中心として東西の地方大都市と比較しても、それは顕著である。(福岡市内ー福岡空港 14分、仙台市内ー仙台空港 28分、札幌市内ー新千歳空港 40分、広島市内ー広島空港 1時間15分)

世界的な観光都市を目指し、大資本誘致による経済の活性化を掲げる広島県政、広島市政にとって、都市のスピードを獲得し、人の外部からの流入口である空港により多くの人を集めることこそが重要であるはずだ。予算がないなら作ればいい。ビジョンがないから予算が理由になるのである。広島オリンピック構想も新交通システムも、市民が共通の夢を描くビジョンがないから予算を理由に消えていくのだ。世界中、日本中の都市が大都市とのネットワークを確立し、経済を活性化することを目標にしている昨今において、過去の失政を引きずっている暇はない。

広島の都市交通インフラの問題は根が深く深刻である。広島駅と市街地が離れている問題、路面電車が市内の主要公共インフラであるという問題、横断歩道や信号が多く車社会にもなれていないという問題、環状線や地下鉄がないという問題、アストラムライン利用者の少なさの問題、広島の政治・経済界の利権問題など、空港問題以外にも問題が山積しているのが現状である。

どのような都市を目指すべきか、またどのような夢を描いていくのか、今考えるべきである。
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by futurestudio | 2011-03-18 11:39 | review
HUDL #01 Report
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5/29に「HUDL#01」が開催されました。

HUDL#01              
2009.05.29
第1回ひろしま都市デザイン研究会
テーマ「旧市民球場から考えるひろしま都市空間ビジョン」

パネリスト 
     石丸紀興氏 (広島国際大学教授)
     荒木靖昌氏 (広島市都市活性化局都市活性推進課長)
     津田靖文氏 (広島市都市整備局都市計画課都市デザイン担当課長)
     土井一秀 (HUDL)
     小川文象 (HUDL)
  コーディネーター : 吉田豊 (HUDL)
  全体進行 : 松原綾 (HUDL)


この会は市民・行政・専門家がフラットな立場で共に広島の未来の都市デザインを考えることを目的としています。

第1回となる今回は、何人来てくれるのかという不安がありましたが、130名もの来場があり、立ち見が出るほどの盛況な会となりました。

広島の都市づくりの第一人者の石丸氏、広島市都市デザイン担当の津田氏の講演は、広島市の都市デザインの「過去」と「現在」を共有することができ、多くの参加者にとって新しい認識が得られたのではないかと思います。

石丸氏より話のあった広島の都市軸の話は、とても興味深いもので、私が取り組んでいる広島市公園トイレプロジェクトは、新しい都市の軸を埋め込む計画であり、丹下健三による都市軸を今後どう扱っていくのかという点は、今後のHUDLでも論点としていきたいと考えています。

パネルディスカッションにおいては、広島市全体の都市デザインの話が軸となりました。いくつか鋭い質問もさせていただいたのですが、津田氏や荒木氏が真摯に受け答えされていたのが印象的でした。みんなでそれぞれが立場を超えて考えるということは、行政批判や責任追及の場ではなく、未来を語る場であるということを忘れてはなりません。

反省点としては、時間が超過してしまい、参加者の方々との意見交換が出来なかったことです。みんなで考えると言っている以上、ここは外せません。次回はしっかりやりたいと思います。

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ご意見、ご感想はHUDL公式ホームページの方に、窓口を作りますのでそちらにお願いします。



*当日参加してくださったUTSUBO氏のレポートです。


*以下、5月からFUTURE STUDIOの仲間になった赤木くんのレポートです。


 先日、広島市まちづくり市民交流プラザにてHUDL#1が行われた。今回のパネリストとして、行政からは都市整備局・都市活性化局の方、大学教授、建築家といった都市に関わる様々な業種の方が一同に会する機会となった。

まずは石丸氏による「戦災復興と都市軸の歴史について」のレクチャー。広島が如何に形成され、戦後復興を遂げてきたかについて、当時の写真を交えながらの講演で、広島に住んでいながら知らないことが多いことを実感した。

続いて津田氏による「広島市の都市景観の取り組みについて」のレクチャー。広島に美しい景観をつくるため、広島市がどのように現在の都市景観づくりに努めているかについての講演であった。現在の平和大通りやリバーフロントの景観水準が保たれているのは広島市の働きかけがあるからこそだそうだ。

石丸氏・津田氏の講演を終え、時間を超過しても必死に伝えようとするお二人の姿からは、広島という都市に対する熱い思いを感じることができた。

その後、パネルディスカッションに移り、最初に2人の広島の若手建築家によるミニプレゼンが行われた。

まずは、土井さんが公園についてのレクチャー。公園が市民によりどのように使われているのかについての説明があり、各国の写真をもとに日常的な視点から都市を見直していくという建築家としての姿勢を感じた。

続いて、小川さんが水辺についてのレクチャー。世界の水辺を軸に広島が世界に引けをとらない「水の都」であることを、各国の鳥瞰図や水辺の構造と比較しながら、その上で広島の未来の水辺空間を提案する力強いレクチャーであった。

ディスカッションでは荒木氏を含め、HUDLの吉田さん進行のもと各パネリストが一つのテーマに対して、その思いをぶつけあう白熱した場となり、客席では真剣に広島について議論するパネリスト達の話を必死にメモをとる学生達の姿を見かけられた。

 会場では多くの来場者を迎えることができ、記念すべき第一回目として順調なスタートを迎えることができたように思う。このようなシンポジウムを通じて都市が現在ある形に至った理由や地域社会や国単位の社会にある出来事を皆で再認識し、従来には存在しえなかった回答を見つけていくことが「未来の都市を考える」ということに繋がることを実感した。
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by futurestudio | 2009-06-03 19:16 | review
Tom Angotti 講演会
広島国際大学の石丸教授にご案内いただき、ニューヨーク市立大学のトム・アンガッティ教授の講演会に行ってきました。

アンガッティ氏はニューヨークにおいて、グローバル経済の下、持続可能な都市開発を探求するコミュニティの活動に着目し、都市の住宅、貧困問題、コミュニティ開発について研究を行っている方です。

以下、簡単なレビュー。

講演は"Community Planning"について多角的に切り込む氏と市民の活動についてがメイン。WTC跡地計画の話もあった。

会冒頭の「ニューヨークという都市は政治力が弱いから結果自由に見えるだけ」という言葉が印象に残る。
外から見るのと中から見るのでは、相当見方が違うものだ。

都市の計画を語る中でこれほどまでに経済と都市が密接に関わっている都市は他にないだろう。貧富の差が激しく、オモテとウラが混在している都市の現状に対して、コミュニティ・居住空間の豊かさなどを考えることは容易ではない。

その中で現在考えられている最も現実的なコミュニティプランとして紹介された案は、非常にバランスの取れた合理的な計画であったが、ニューヨークという都市の「オモテがあるからウラがある」という「面白さ」を、「バランス」を求めることによって良いところが霞んでしまわないかという疑義をもった。

会場には我々建築家以外にも、土木コンサル、都市計画家、不動産関係の方々が来場されていたようだ。
全体としてニューヨークという都市の問題点や裏側をたくさん見ることができ、大変勉強になった。ニューヨークという都市の特殊性を逆手にとるような、よいコミュニティプランが出来ることを願うばかりである。いつまでも輝ける都市「ニューヨーク」であって欲しいものだ。
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by futurestudio | 2009-04-10 00:16 | review
datamatics@山口情報芸術センター
29日 池田亮司氏のインスタレーション展を見に山口情報芸術センターに行ってきました。

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このインスタレーション展は、コンピュータによる先端的音楽表現を牽引する世界的な第一人者として知られる池田亮司氏の初の個展として注目を集めているもの。

池田亮司氏の作品や哲学を深く知っているわけではないが、こういったデジタルの先端を走る人にはとても興味がある。僕自身も昔からそんな表現に憧れがあり、このような類のイベントにはよく足を運んでいる。

池田さんの今回の作品は、日常に溢れるデータの海を知覚化/美学化/形式化を探求するプロジェクトで、音や映像などによって表現されている。

展示を通して見て感じたことは、日常には人間が知覚出来ない超音波や電波、情報があって、実はその海の中で生活してるんだろうなということ。この立体的世界の解像度を究極に高めていくと見える世界を見せてもらった気がした。普段見えないものを、暗闇の中でただそれだけを見せる。映像のスケールも大きく、強烈なインパクトがあった。
また、音というものの可能性や重要性を再認識した。音を通して空間を感じることが出来るかもしれないと感じさせるものだった。全体として久々に満足の展覧会だった。


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帰りに光の海に立ち寄る。ここに来るとリフレッシュできる。息子も大喜び。

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by futurestudio | 2008-04-30 22:23 | review
シェルターX サバイバル @広島市現代美術館
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写真:撮影可の「空き缶の家」


今日は前から行きたいと思っていたシェルターX サバイバル 展を見に広島の現代美術館に行ってきた。最終日ということで会場は人が多かった。

お目当ては坂茂氏の作品とその他空間的な作品。
坂さんの紙のログハウスはやはり出展作品の中では、クオリティの高いものであったが、紙のギャラリーやノマディック美術館に続き、僕にとっては3回目の紙シリーズということもあり、少々物足りなさを感じた。仮設のログハウスでは丸いものよりも四角い紙管の方が断熱などを考慮すると適しているのではないかなどと一人でいろいろ突っ込んでいた。紙管の建築は大きい建築の方が生きるように思う。ノマディック美術館は相当いい。

ヤノベケンジ氏の作品は豊田市美術館で見て以来2度目で、1回目の衝撃ほど心に届かず。他にも缶の家、新聞紙の家など空間的なものも、もっといい空間できるんじゃないのというものが多い。一般の方にはわかりやすくていいのかもしれないけれど、僕自身大学時代からこのような類のプロジェクト(下に載せてます)をいくつかやっているので、もっと刺激的なものを期待していただけに残念。テーマが面白いので、東京やロンドン、ニューヨークなどで同じ展覧会をすれば当然ながら全く違うクオリティの展覧会になる。そんなことを感じていた。

全体としてテーマに対する意識の薄さが感じられて、とても強いメッセージ性をもつテーマが一人歩きしてしまっているような気がした。究極の危機における真のサバイバルシェルターとはどういうものか、核心に迫るものが見たかった。現代人に再考を促す展覧会なのだろうけれど、有名なアーティスト達を強いテーマでくくるのは少々無理があったようにも思える。

批判的なことばかりになってしまったが、面白いものもあった。テーマとはズレているけれど、会田誠氏の現代社会の抱える問題をテーマにした作品は最も印象を受けた。

以上僕の建築的視点から見た感想でした。行かれた方はぜひ感想を聞かせて下さい。



*参考:僕の過去の似たプロジェクト

「KARAPPO」 2002 共同制作:高野和哉、竹内州

廃棄ダンボールを皮膜状に積層させて、透過する広島型原爆を原寸大でつくるプロジェクト。
広島平和記念資料館、東京丸の内にて展示された。
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東京芝浦運河沿いにて。芝浦の大通りにゲリラ的に置いて道行く人の反応を見たりもした。

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制作過程1 ダンボールを1cm幅にカットしていき、手で曲げていく。

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制作過程2 型にあわせてボンドで積層させていく。

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制作過程3 マスキングテープでガチガチに固めて硬化を待つ。写真の僕もまだ若い。


「CARDBOARD HOUSE」 2003 ロンドン留学中の短期間のプロジェクト

ダンボールとカッターとホッチキスでつくるダンボールハウス。

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by futurestudio | 2008-04-14 01:25 | review
卒業設計展
今日は昼からスタッフと広島の大学の合同卒業設計展に行ってきた。8大学+高専。専門学校などの力のこもった作品が展示されていた。

作品はみなエネルギーに満ちた素晴らしいものであった。自分の学生時代を思い出して、心が洗われるようだった。完成形を見るだけで、そのプロセスにある苦労や努力を感じることができるのは、卒業設計の醍醐味だ。

学生の作品を全体として見ると、そこには今の建築の流行が投影されている。全体として既視感のあるものが多く、内容としても度肝を抜くような作品はなかったが、いくつか好きな作品はあった。

まずは、広島工業大学の学生の市民球場跡地に木をグリッド状に配置し、円形の施設を配した象徴的な案。これは広島の市街地の犯罪的に乱舞する機能建築群を批判的に解釈すると、僕が考える球場跡地利用の手法に近い。風景を見せる様なプレゼンがなかったのが残念ではあったが、広島という都市を冷静に読み解いたからこそできる提案だ。

また、広島国際大学や近畿大学、広島工大の学生など複数見られた、地下に空間の可能性を求めようとする案。複雑に空間を溶かす様な案が多い中で、これらの作品は新鮮に映った。水を貯める施設を併設する?案、モグラの巣のように居住の場を埋める案、採掘場の様に掘り出したボリュームと掘った跡を併せて建築化する案など未来への可能性を感じるものだった。どれももっと大きな規模で提案があるともっと面白くなる様な気がした。また呉高専の学生の空間の在り方を考察し、再定義して積層させた高層ビルの提案も面白かった。

卒業設計は何ヶ月も同じ計画に没頭し、色んなことを考えるので、やっているうちにどんどん複雑になっていってしまう。それ故に、難しいことだがシンプルで強いコンセプトをもつ計画が望ましいし、印象にも残る。手数が求められる故に見切りをつけて発車するのがほとんどだと思うが、それまでの場面を大切に、先生方は導いてあげて欲しいと思う。

今日は僕自身、彼らの作品を通してパワーをもらった。今回出展した学生だけでなく、卒業設計という大きな山を越えた日本中の学生の皆さん、本当におつかれさまでした。
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by futurestudio | 2008-03-23 00:53 | review
Tour Signal コンペ
フランス・パリのラ・デファンス地区に計画されている高層ビル"Tour Signal"のコンペのファイナリストの作品を公式HPで見ることが出来る。

5組に名を連ねたのはノーマン・フォスター、ジャン・ヌーヴェル、ダニエル・リベスキンドなど。
HPにはそれぞれのインタビュー映像があり、フォスターアンドパートナーズからは、ロンドンで僕たちのグループのトップだったグラント氏のインタビューがある。彼は僕たちの意見もしっかりと聞いてくれるとても紳士な方で良き上司だった。

パリのラ・デファンスはパリ新都心として、新しい建物が建ち並ぶニューシティであるが、ここに300M級のタワーを建設するとなれば、パリの新たな顔となるのは必至であり、都市計画的観点からも非常に重要な計画となる。

僕的には贔屓目なしに、面白さでは遍在するエレメントを積層したヌーヴェル案、総合的には空気や風が通り抜けるフォスター案。

緑をタワーに取り込んだリベスキンド案も面白いけど、ここにつくらなければならない必然性はないように思う。ヴィルモット案はミラーがアンビエンスを映し出すということだが、3本のタワーの相互の関係性やソフト面がどうなっているのか気になる。形態も奇抜で社会性の高いこのタワーには難しいだろう。そういえば香水のボトルであんなのあったような・・・。彼の作品である広島の「平和の門」のイメージとはかなり違う。フランスの建築家としてこの計画に対する思い入れが伝わってくるようだ。ヌーヴェル案はコンセプトはずば抜けて深いし、面白い。プレゼンイメージなどは内観が多く、景観的にあのプロポーションがどのような意図があるのか知りたい。なんとなくラ・デファンス地区の今のイメージを踏襲しているような印象を受けた。

この計画は、都市のランドマークとしての側面が強く、建築的なコンセプトや空間機能面よりも、風景をつくるエレメントとしての存在の仕方が最も重要なのではないかと解釈している。そういう意味でも新しい風景をつくり出すことが出来、ソフトとハードのバランスを兼ね備えたフォスター案を勝手ながら僕は選びたい。
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by futurestudio | 2008-03-15 01:20 | review



建築家 小川文象のブログ Blog of Architect Bunzo Ogawa
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