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9.19シンポジウム「若手建築家のアジェンダ」報告
19日は台風もそれてくれて、清々しい環境の下、予定通りシンポジウム「若手建築家のアジェンダ」がカフェポンテにて開催されました。
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スケジュールとしては、藤村龍至さんによる概要説明、続いて藤村さん、小川、石川誠さん、土井一秀さん、谷尻誠さんの順にプレゼンテーション、討論会、満田衛資さんによる総評、会場からの質疑応答、アフターパーティという流れでした。

会場には予想を上回る多くの人が来てくださり、感動しました。

藤村さんのプレゼンは、批判的工学主義の説明と「BUILDING K」を用いた超線形設計プロセス論の説明。僕は藤村さんの理論に関しては理解をし、一定の共感を覚えている。論理のみで建ちあがったと聞けば、「BUILDING K」が美しく見えてくるから不思議である。しかし、あまりにも理論的な建築手法だけに清々しい風景の中に若干無機質な風が流れる。

僕は「break-construct/破壊構築」をテーマに「bio structure house」(新建築住宅コンペ2等案)、「Absolute Arrow」(広島市公園トイレ実施コンペ最優秀賞案)、「スケルトンハウス」(SDレビュー入選案)の3つのプロジェクトを説明。計画中のものやコンペ案など、未完のものであったため、言葉が多くなる。そのため時間を超過してしまい、言いたかったことを全て言い切れないままに終了。後ろの方は声が聞こえなかったそうで、反省点の多いプレゼンであった。「コンセプトとイメージ」、「形式と現象」により、建築をつくっていることを伝えたかった。

続いて石川さん。石川さんはまだ独立前ということもあり、スケッチブックのスケッチだけでのプレゼン。「楽しい関係」をテーマに、楽しそうに語る石川さんを見ているだけで、こちらまで楽しくなる感じがした。スケッチのみでも、石川さん固有の思考が見える。

次に土井さんは、SDレビュー入選案の「AUBERGE H」と新作住宅を用いてプレゼン。「環境や風景に少し手を加えることで、その一部として建築をつくりたい」と語る。パースや写真の美しさが印象に残る。

トリは谷尻さん。「はじめてということ」をテーマに、根本的な建築への考え方からプレゼン。建築家である前に人間であるという姿勢を感じる。作品そのものの説明よりも、モチーフを用いながら、建築を考えるプロセスをスピーディに説明され、わかりやすく、説得力のあるプレゼンであった。

その後の討論会は、藤村さんが広島の4人に質問を投げていく形式で行われました。藤村さんのインタビューが2巡くらいした頃に、土井さんが藤村さんに逆質問し、場が動き始める。確かに一見真逆に見えるお二人の作風だが、環境を受け入れるという点では同じである。会場の質疑応答で「アノニマス建築」について質問が出たとき、藤村さんは僕に振られたが、個人的には僕よりも土井さんの方がアノニマスだと思っている。

最後にコメンテーターとして参加していただいた満田さんにコメントをいただく。僕が質問を受ける。気になっていただいたことは素直に嬉しかった。

終了後は自由参加のアフターパーティ。色んな方とお話をすることができた。2次会はパネラーの6人に東京からこのイベントの為に来ていただいた加藤孝司さんや京都の宗本晋作さんなどを交え、引き続き熱く話す。本当に楽しい時間でした。締めに広島名物激辛つけ麺でお開き。

振り返れば何気なく始まったこの企画が素晴らしいイベントになり、このような機会に参加できたことをとても嬉しく思います。来場してくださった皆さん、きっかけをつくって下さった藤村さんや場所取り等精力的に動いてくださった谷尻さん、半ば強引なコメンテーター依頼にも快諾してくださった満田さん、機材を貸して下さった穴吹デザイン専門学校さん、素晴らしい場所を提供していただいたカフェポンテさん、本当にありがとうございました。

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by futurestudio | 2008-09-23 02:03 | event
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