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市長公室にて表彰式
今日は広島市役所の市長公室にてトイレコンペの表彰式がありました。

式の後、秋葉市長に激励され、さらに岡河貢選考委員長はじめ、選考委員の先生方より温かい祝福の言葉をいただきました。

驚いたのはメディアの方が多数来られていたことです。式後にインタビューを受け、広島の民放3局(RCC/HOME/TSS)の夕方のニュースに放映されたようです。「HOMEの映りが一番良かった」「少し噛んだね」などいろいろ反響も戴きました。

今日の表彰式やTV取材で、注目度の高い公共の建築をつくるということの実感がわいてきたと同時に、責任の重さに身の引き締まる思いがします。

岡河委員長の講評などから、今回のコンペで評価されたのは、以下の点であると考えます。
・方向を示す屋根により、都市空間の中に長期的な価値を埋め込むことができる点
・屋根の色によって地域のローカリティを生み出すというわかりやすさ
・2方向アプローチで、どんな規模の、どんな形の公園にも設置可能なミニマムなプラン
・コスト面や耐久性など現実性が高い点

以上の点は残しながら、屋根の形・素材や指す方向、また全体のヴォリュームのデザインは今後更に検討していきたいと考えています。各種メディアではデザインなど表層的な部分のみが伝えられていることに、理解はしつつも少し戸惑いはありますが、都市的観点からのこの建築の意味を少しづつでも市民の方にわかってもらえるように努力していきたいと思っています。この建築は公共のものであり、市民に愛され続けるものをつくるために、積極的に色んな方の意見を聞いていきたいと考えています。


以下に提出案主旨文を全文添付します。

Absolute Arrow ー遍在する座標軸ー

私達が恒常的に目にする風景には、水平/垂直という基軸が存在している。建築や植物、そして人は垂直に立ち、海は水平に走り、人間がつくってきた人工物は水平/垂直によるものが多い。それは天と地という絶対的な概念によるものに他ならない。これによって秩序ある文明が成立している。私達人間はXZ・YZ平面上において無意識的にその絶対的なチップを埋め込まれている。

一方で、平面的(XY平面)に見てみるとこの基軸となるものは見当たらない。例えば、初めて訪れる場所では地図のみが絶対的なものとしてあり、地図なしではその場の絶対的要素を知る術をもたない。つまり、人々は日常の中に存在するもの(建築・道路・看板など)を言わば記号として認識し、相対的に自己の生活を成立させている。

本計画は、街区公園という町中に遍在するものを通して、また公園内という見通しの良い場所に設置されるトイレによって、平面的な見えない絶対座標である方位を可視化し、広島のまちに、そして地域の人々に新たなチップを埋め込むことを目的とする提案である。

このトイレの二等辺三角形の屋根は、真北を指す矢印となっている。どのような公園のどの場所に設置されても、この屋根は真北を指す。つまり、この屋根がまちの中に遍在する絶対的なチップとなる。

地域住民や子供たちはこの屋根により、生活圏の日常風景を幾何学的立体として捉えることが可能となる。ここで意図しているのは強制ではなく、日常を捉える認識のオプションを付与することである。

市民に愛される公園のトイレのみならず、世界の中の都市計画的なマクロな観点からも、この北向き屋根のトイレは大きな意味をもつ。このトイレが小さなランドマークとなり、人々にとって日常の新たなイデオロギーを構築する分子となる。
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by futurestudio | 2008-06-05 00:03 | news
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建築家 小川文象のブログ Blog of Architect Bunzo Ogawa
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